不登校の入試への影響

増える不登校の生徒

埼玉県が2022年12月1日に発表した「令和3年度埼玉県公立学校における児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果によると、下のグラフのように埼玉県の中学生の不登校者数は増加傾向にあります。

令和3年でいえば、調査人数の4.5%に当たります。おおよそクラスに1人の不登校の生徒がいるわけですから、決して少ない人数ではありません。

現在、不登校のお子さんをお持ちの保護者の方にとってはお子さんの高校への進学の問題は気になるところではないでしょうか。

今回は埼玉県の高校入試における不登校の影響を制度面からみていきたいと思います。

学校の種類別、不登校の入試への影響

私立高校

前回の記事のように私立高校の場合、ほとんどの生徒が推薦入試で受験することになります。

ただし、多くの私立高校において、推薦入試の条件の中に
ー 成績に「1」がないこと
ー 欠席日数が一定の基準内であること
が入っています。

このため、個別相談会で相談することである程度考慮してもらえる可能性があるものの、基本的に不登校の生徒が推薦入試で合格することは難しくなっています。

ただし、一般入試を行う学校においては、上記のような制限を設けていないところが多く、学力検査の結果を重視するので不登校の生徒にもチャンスがあります。

けれども、前回の記事に書いたように通常一般入試の方が推薦入試に比べて基準が厳しくなるため、決して簡単な方法ではありません。

公立高校

公立高校の場合、私立高校の推薦入試のように不登校の生徒が不利になる出席日数や成績に関する明確な基準はありません。

けれども前々回の記事のように調査書の成績の点数は少なくない割合を占めています。
そのため、不登校によって出席点が低かったり、テストを受けないことで成績評価が低い場合、非常に不利となります。

しかし、埼玉県の場合、不登校の生徒への対応として「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」という制度があります。

不登校の生徒などを対象とした特別な選抜

これは「中学校を卒業する見込みの者で、中学校在学中に一過性のつまずきなど
により不本意な中学校生活を送った者で、在学中学校長が、不登校の生徒などを対象と
した特別な選抜による出願に該当すると認めた者」を対象としたものです。

対象となる学校は原則、埼玉県のすべての公立高校となります。

通常の入試と異なるのは「学力検査の得点の合計、調査書の学習の記録及び出欠の記録以外の得点、その他の資料の得点並びに自己申告書の内容を資料とする」ことです。

これにより、不登校による成績の低さの影響が緩和されることになります。

令和4年度の埼玉県公立高等学校入学者選抜の実施状況によると、学校別の人数は不明ですが、不登校の生徒等を対象とした特別な選抜で、全日制課程で287人が受検し、234人が入学許可候補者となりました。81.5%の合格率ですから、チャレンジする価値はあるかと思います。

通学に不安がある場合

上記のように不登校の生徒であっても、楽ではないものの、高校進学のチャンスは十分にあります。

それでも「合格してもずっと投稿し続けられるか不安」という子もいるかと思います。

そういう子にとって選択肢の一つとして通信制高校があります。

通信制高校とサポート校

いわゆる「通信制高校」には「学校教育法に基づいた高等学校」と「サポート校」があります。

埼玉県内の学校教育法に基づいた通信制高校には県立の大宮中央高校や私立の国際学院などがあります。
サポート校にはトライ式高等学院などがあります。

二つの一番の違いは「高校の卒業資格」が取れるかどうかです。

「学校教育法に基づいた通信制高校」では単独で卒業資格が取れます。

一方「サポート校」は塾や予備校的な扱いで単独で卒業資格が取れません。そのため通常他の学校教育法に基づいた通信制高校と提携していて、そちらと同時に入学する形になっています。

いずれの学校も不登校の生徒への対応を厚くしているところが多く、生徒個人の状況に応じて、スクーリングの日数を変更し、ほとんど全日制の高校と同じような通学日数にできるところもあります。

入試においても不登校に対して配慮してもらえることが多いため、こちらも進学先の大きな選択肢の一つになっています。

最後に

いずれにせよ、学力が必要なのは通常の受験と変わりません。

最初の埼玉県の調査によると、不登校の原因で一番多いのは「無気力・不安」となっています。様々な原因が重なった結果がこの原因になっているものと思われます。

それだけになかなか不登校になったお子さんに勉強をしろというの難しいかもしれません。しかし高校進学というのは自分の環境を変える大きなチャンスでもあります。

そのチャンスを逃さないためにも、できる範囲で、少しでもいいので学習をしてもらいたいと思います。

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