「最適な学習法」を身につける~「学習」とはなにか?~

前回の記事では「究極の勉強法」はないが「最適な勉強法」はあるという話をしました。今回から数回にわたって、どうしたら「最適な学習法」を見つけられるのかについて話していきたいと思います。

「勉強」≠「学習」?

さて、この記事のタイトルが「最適な勉強法」ではなく「最適な学習法」になっているの気づかれた方はいるでしょうか?

「勉強」と「学習」。この2つの言葉は同じ意味なのでしょうか。

広辞苑には学習は「まなびならうこと。過去の経験の上に立って、新しい知識や技術を習得すること」という定義が載っています。
一方、勉強は「学問や技術を学ぶこと。様々な経験を積んで学ぶこと」という定義されています。同時に元々の意味として「精を出してつとめること」という定義が載っています。

これを見る限り、同じ言葉のように意味のように思えますね。

一般的には「勉強」と「学習」は同じように使われています。

なぜ「勉強法」ではなく「学習法」なのか

ただ私のイメージでは、「勉強」は決められた内容を身につけるという、どちらかという受け身なイメージあります。

一方「学習」は不特定な内容を自ら進んで学んでいくというより積極的なイメージがあるように思います。

私は、「無理矢理学ばされるのだから、少しでも楽にやりたい」と言うことではなく「もっと色々なことを学びたいから少しでも効率的に学びたい」という気持ちで、学んでほしいと思っています。

そのため、ここでは「勉強法」ではなく「学習法」とさせていただきます。

また、専門的には「学習」の方が使われています。正確な定義についても教育学や心理学など分野ごとに色々な定義が存在しています。

ここでは「学習」を「予想と結果が一致するように、自らのパラダイムを変化させること」と定義します。

「学習」とはなにか?

上記のように定義しましたが、もうすこし詳しく説明していきます。

「予想と結果が一致する」とは

ここでいう学習する内容はいわゆる学校の勉強に限らず、もっと広い意味で使っています。

例えば「歩く」「話す」と言うような無意識にしていることも、生まれてすぐに出来る人は誰もいません。歩き方や話し方を学習してきた結果、意識しなくてもできるようになったのです。

最初は、足を踏み出す度にバランスを崩して転んでいたことでしょう。しかし、何度も転んでいるうちに転ばないで一歩踏み出すことができたときが来ます。一歩踏み出しては転び、二歩踏み出しては転びと言うことを繰り返すうちに、どのように身体を動かせば転ばずに済むのか身につける事ができます。

このように「転ばずに一歩踏み出そう」としたときに転ばずに一歩踏み出すことができるようになった状態が「予想と結果が一致した」状態です。

今度は算数で考えてみましょう。
「1+1=2」当然の結果ですよね?でも最初は「1+1=2」ができたとしても「2+1=3」はできないはずです。色々な計算をして「3+1=4」や「4+1=5」などの計算の答えを覚えていくうちに段々と「ある数に1を足すと1大きい数になる」というルールを理解するようになります。このルールを理解した状態がパラダイムができた状態です。

「パラダイム」とは

「パラダイム」というのは簡単に言えばものの見方や考え方のことです。

上記の例で言えば「ある数に1を足すと1大きい数になる」というのがこの時点でのたし算に対するパラダイムと言えます。

しかし、このパラダイムでは足す数が1以外の時には予想と結果が一致しません。常に正しい計算の結果を得るためには「ある数に別のある数を足すと足した数だけ大きい数になる」という新しいパラダイムを身につける必要があります。これが「パラダイムを変化させる」ということです。

つまり単なる丸暗記は「学習」とは言えないのです。

丸暗記は学習にならない

もちろん、英単語や漢字など覚えなければならないものは存在します。けれども単に「I=私は」というように覚えたのでは少しでも状況が違うと予想した結果を得られなくなります。

例えば「I am a boy.」を「私は少年です」と訳すことはできても、「僕は男の子だよ」を「I am a boy.」と訳すことができないこともあり得るということです。

これは極論にしても、「英単語と日本語の単語は必ずしも1対1で対応しない」「同じ物を指す場合でも状況によって違う単語を使うことがある」などのパラダイムがないとあらゆるパターンを覚えないと正解を出せないということになってしまうのです。

ですから、「予想と結果を一致させる」ためには「パラダイムを変化させること」が必要になるのです。

次回は実際に学習法を改善するために役立つFILMシートという用紙について話してきたいと思います。

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