「最適な学習法」を身につける~FILMシートを使ってみよう その2 振り返りをすることで自分に最適な学習法を見つける~

前回は実際に行動するまでのFILMシートの利用手順について説明していきました。

今回は一番大事な行動後の振り返りについて説明していきます。

振り返りをしないと意味がない

FILMシートを使うのは自分自身にとっての最適な学習方法を身につけるためです。そのためには振り返りをすることで改善を図る必要があります。

そこで一番重要になるのが、これから記入していくFILMシートの下半分の部分になります。

6.実際の計画と差異の欄を記入する

メモ欄に記入した振り返りの期日が来たら、一番最初に記入するのが実際の計画と差異の欄です。

ここで重要なのは「善し悪しを評価しないで、事実だけを記載すること」です。

計画の振り返りというと「計画通りに上手く行った、良かった」とか「目標達成できなかった。まずいなぁ」などと結果を良しあしで判断しがちです。

前回も書きましたが、行動前に書いた「期待する結果」は目標ではありません。ですから、ここでは達成したかどうかを「良かった」「悪かった」で評価しないでください。

結果を達成してもできなくても、自分の学習法を改善するための学びのきっかけになるからです。

ですからここでは単純に何をして、何をしなかったのか、その結果どうなったのか、その事実だけを書くようにしてください。

例えば、以下のようなことを書いてみてください。

-「期待する結果」と「実際の結果」の差はあったか?
-「予定したプロセス」と「実際のプロセス」に違いはあったか?
-「仮説・前提」は正しかったか?外れたか? など

繰り返しますが、ここでは単に事実だけを書くことを心がけてください。

7.4つの観点から振り返りを行う

次に書くのは一番下の黄色い枠の3つの欄です。
行動前に書いた「期待する結果」「プロセス」「仮説・前提」の3項目について以下の4つの観点から振り返りをしていきます。

1.よかった点
2.改善点
3.予期せぬこと・気づき・学び・発見
4.次どうするか
以上の4つです。

ここで重要なのは4つの観点の書く順番です。
必ず最初によかった点を書いてから、改善点、予期せぬこと・気づき・学び・発見、次どうするかを書くようにしてください。

なぜよかった点から書くのか?

では、なぜ一番初めによかった点を書くのでしょうか。

それはよりよいアイデアを浮かべやすくするためです。

例えば、何か意見を述べても片っ端から否定される状況を思い浮かべてください。
そんな状況では、どんな意見を述べても無駄だと思って、考えるのも嫌になってしまいませんか?

これは自分自身に対しても同じ事が言えます。上手く行かなかったこと、失敗したこと、できなかったことに意識が集中すると気分が落ち込んで、ネガティブな思考に陥りがちです。こうなると、どんな考えも上手く行くとは思えなくなってしまいます。

逆に、ポジティブな思考になると「こうしたらもっと上手く行くんじゃないか?」「これなら今度は成功できるはずだ」と浮かんだアイデアを否定しにくくなるので、アイデアが思い浮かびやすくなります。

そこで最初に良かったことをたくさん書くことで、ポジティブな思考にするのです。

よかった点は些細なことでも良いので、できるだけ書くようにしましょう。
「期待する結果ほどではなかったけど、新しい単語をこれだけ覚えられた」
「親に言われる前に机に向かったらほめられた」
「新しく買ったシャーペンで勉強したら、いつもより少し集中出来た」
「英和辞典を引いたら、意外な意味を見つけられた」
等、ちょっとしたことでいいので、たくさん世買ってことを書きましょう。

改善点、予期せぬ事・気づき・学び・発見を書こう

考え方がポジティブになったところで、残りの観点から振り返っていきましょう。
ここでも重要なのは数を出すことです。
そのためにはちょっとしたアイデアでも良いと割り切ることです。

例えば、改善点なら100の改善を目指さないことです。単語を覚えるなら前回より数十個多く覚えられるような改善点を出すのではなく、たった1つ多く覚えられるような改善ででいいのです。

小さな改善でも積み重ねれば大きな改善になります。また、他の小さな改善と組み合わせることで効果が何倍にもなることもあります。

だから大きな改善ではなくてもいいのです。

予期せぬこと・気づき・学び・発見についても同じです。

些細な気づきでもいいのです。「そういえば、一昨日勉強したときは普段よりちょっと集中出来たな」みたいなもので良いのです。そういう小さな気づきや発見が積み重なることで、自分がどういう状況の時集中して学習できるのかといった大きな学びに繋がっていきます。

次どうするかを書こう

最後にこれまでのアイデアを元に次にどうするかを書いて行きましょう。

出てきたアイデアをすべて実行する必要はありません。
「こんな期待する結果ならもっとワクワクしながら取り組めそうだ」
「もしかしたら、今までの考え方が良くなかったかもしれないからこう考えてみよう」
「こんな風にしたらもっと上手く行くかも」
こんな風に思えることを書いていきましょう。逆に絞り込みすぎる必要もありません。やれそうなことはぜひやってみましょう。

8.まとめ、次のFILMへの欄を書こう

ここは「期待する結果」「プロセス」「仮説・前提」の振り返り全体を見直す欄です。

ここまでの手順では細かな点を分析的に振り返ってきました。

ここでは1つ高い視点から、全体の関係性見ていきます。
例えば、
-たくさん出したアイデアの要約を書く
-アイデア同士の関連を考えてみる(こんな前提でプロセスを考えたけど、プロセスの改善点をうまく実行するにはこういう風に前提を変えた方が良いかもなど)
等です。

最後に、次のFILMシートを書くためのヒントとなるようにまとめていきましょう。

9.新しいFILMシートを書く

ここまで書けたら、新しいFILMシートを取り出して、また書いていきましょう。

このとき、先ほどのFILMシートによって得られた情報を元に
-期待する結果そのものを変える
-姿勢・プロセスを改める
-前提・想定が間違っていたら修正する
などを積極的に行いましょう。

まとめて振り返ってみよう

書いたFILMシートはきちんと保存しておきましょう。
そして、何枚かたまったら、全体をならべて振り返ってみましょう。
一枚一枚では気づかなかった、自分の考え方や行動の傾向が見えてきます。
もし、現状が上手く行っていないのだとしたら、行動や考え方を根本的に変える必要があります。
自分の考え方や行動を変えるためにFILMシートを書いてみると良いと思います。

このように小さな行動の改善から、自分の考え方、ものの見方の改善までFILMシートは役立てることができます。ぜひ試してみてください。

さらに詳しくお知りになりたい方は、お気軽にhttps://wakatake-school.com/contuct/

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