日本語も語彙力が大切
野球用語が分からない
以前、生徒とこんな話をしました。
生徒「国語の問題、野球の話多くありませんか?」
私「ああ、言われてみれば多いかもねぇ」
生徒「私、野球を知らないから、ときどき書いてあることが分からなくなるんですよ」
その子は「マウンド」がどういうものか分からず、どんな場面なのかうまく想像できなかったことがあったそうです。
野球に殆ど興味を持たない私も「マウンド」がどういうものかを知っていたので、意外に思いました。
けれども、私が子供の頃と違って、テレビで野球中継が殆ど行われず、野球に興味を持っていなければ知らなくても当然かもしれません。
「マウンド」を知っていることが「常識」の範疇に入るかは分かりませんが、言葉が分からなくて文章を正しく読めない子も一定の割合でいそうです。
語彙力を身につけるには
普段、日本語を使っているために、「何となく」読み書きできてしまうので、あまり気にしないことが多いようです。しかし、国語の問題では「正確に」読み書きすることが求められます。
かといって、語彙の問題集を買ってきて、一字一句間違いなく尾ベルというのも正しい勉強だとは思いません。(一般的に入試に必要とされるのにどんな言葉があるのかを知るのには役立つと思いますが。)
一番は普段の生活の中で言葉に意識を向けるようにすることです。「これってどう読むんだろう?」「あれ?なんか言いたいことがうまく伝わっていないみたい?」などといったちょっとした疑問を大切にすることです。
とはいえ、「何となく」使っていることに疑問を持つことは難しいかもしれません。
基準となるものがないと、そこから外れているかどうかが分からないからです。
では、どうやってその基準を作っていくかというと、月並みな答えになりますが、読書が一番ではないかと思います。
単に文章を読むのではなく、編集や校閲の手の入った文章を読むことです。
(中には「本当に校閲したの?」と思えるものもありますが)編集や校閲の手が入っていれば、通常は明らかな誤用や矛盾した文章は(作者が意図的にしたのでなければ)消されているはずです。
そういう文章をたくさん読むことで自然と「基準」が生まれてきます。
分野は何でもかまいません。新聞とか文学作品と言いたいところですが(笑)ラノベでもかまいません。(全くの独断と偏見ですが、ラノベでも古くからある大手の出版社の方が編集や校閲のチェックはしっかりしているような気がします)
たくさん読むことが目的なので、まずは好きなものをたくさん読むべきです。
基準ができたら、普段の生活で「変だな?」と感じる言葉遣いが出てくると思います。
それをぜひ調べてみてほしいと思います。今ならスマホで簡単に調べることができるのですから(紙の辞書を電子化している辞書サイトを使ってください)
語彙力を身につけるのに、特効薬はありません。
楽しみながら、少しずつ、毎日身につけていくのが一番の方法です。